色は見る人の心に直接働きかけ、心をゆさぶる特質があります。今回、その例を絵画のなかに見てみようと思います。
ムンクの「叫び」
この名画をみて印象に残る色は何色でしょうか?
赤・オレンジ・黄色・・・背景の青色が印象的ですね。人物の背景に彩色されている色の効果として不安や緊張・極度の興奮が伝わってくると思います。もちろん作画の印象もありますがこの名画が白黒のモノトーンであったら見るものにこれほど迫ってくることはないでしょう。暖色(赤・オレンジ)と寒色(青)のはっきりとしたコントラストが極度の緊張感をもたらし、人物の表情を際立たせます。
絵画とはpaintingすなわち「色を塗ること」を意味します。そのため絵画と呼べるものにはさまざまな表現形式があります。例として壁画・モザイク・ステンドグラスなども「絵画」にカテゴライズされます。絵を描くこと、すなわち彩色することなのですね。モノトーンの絵画であっても計算の上黒と白を彩色しているということになります。
特定の色を見て自分が何を感じるか、かんがえること、絵画を見て何色が今の自分にアプローチしてきたかを感じることが「気づき」を生み出すことでしょう。絵画を鑑賞する際に「色彩感」にフォーカスしてみると慣れ親しんだ名画も今までと少し違うように見えるかもしれませんね。